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年末は秩父の古民家で in 埼玉②【秩父錦 酒づくりの森】酒造資料館で日本酒の魅力を再確認!

秩父錦 酒づくりの森、酒造資料館の展示物 旅行記
秩父錦 酒づくりの森、酒造資料館の展示物

今回の秩父旅行ではKからリクエストがあった。
それが「酒づくりの森に行きたい!」。はて、秩父にそんな施設があったかしら…。

ネットで調べてみると、確かに「秩父錦 酒づくりの森」(以下、「酒づくりの森」)という施設がある。ちょっと調べるだけで、秩父ではいろんなスポットが見つかるなぁと感心してしまった。
おまけにワタシたちが泊まる「民宿すぎの子」からも近い。これは行かずにはいられないでしょう。ワタシもKもお酒が大好きですからね!

解説つきで酒蔵資料館を見学

「酒づくりの森」は国道140号から埼玉県道209号 小鹿野影森停車場線に入り、車で5分ほど。山を少しばかり登った先にあった。

【秩父錦 酒づくりの森】基本情報

秩父錦 酒づくりの森
■住所:埼玉県秩父市別所字
 久保ノ入1432

■営業時間:9:00~17:00
(酒蔵資料館は9:00~16:30)
■休業日:火曜日、年始
■入館料:大人 200円
 ※酒蔵資料館のみ有料
 ※団体料金あり
■駐車場:あり
■電話:0494-22-8787

観光物産館ではさまざまなお酒だけでなく、地元の特産品も販売。販売しているお酒を試飲コーナーで味わうことも可能。

江戸時代の寛延2年(1749)、近江商人の矢尾喜兵衛が秩父大宮郷(現在の秩父市)に屋号「升屋利兵衛」(現在の矢尾商店)を開業。荒川水系の良質な水や秩父盆地特有の寒暖差の激しい気候など、酒造りに適した条件の中で育まれてきた銘酒「秩父錦」は「全国新酒鑑評会」にて7年連続で金賞を受賞するほど評価が高い。こちらの施設には観光物産館のほか、270年以上に及ぶ矢尾本店の歴史を学べる酒蔵資料館がある。

秩父錦を世に送りつづける矢尾本店の「酒づくりの森」に到着したワタシたちは、まず観光物産館で酒蔵資料館の見学の申し込み。
年末にもかかわらず観光物産館はお客さんがけっこう多かったが、酒蔵資料館ではスタッフの方がついて酒造りの説明をしていただいた。

スタッフの方とともにまず向かったのは精米工場。
こちらではお米の匂いを久しぶりに嗅ぐことができた。以前はワタシの住む町にお米屋がいくつかあって、その頃はよく嗅いでいたなぁ。懐かしい。

こちらが精米工場。
トン単位で毎日精米しているという。

続いてワタシたちは酒蔵資料館へ。入り口の杉玉を見て、ワタシはなぜかテンションアップ。
杉玉は「酒林さかばやし」とも呼ばれ、もともとは酒造りの神様とされる奈良の「三輪神社(大神おおみわ神社)」の文化だったとか。「三輪神社」の御神木である杉から葉や枝をいただいてきて、邪気を払ったという。
酒屋では大神の御霊が宿るものとして、その年によいお酒ができるよう祈念して軒先に吊るし、新酒ができたことを知らせる目印という役割も担っているそうだ。

酒蔵資料館。観光物産館のすぐそば。
入り口に酒蔵のしるしである杉玉がある。
大釜。湯沸かしに40分くらいかかるとか。

酒蔵資料館は入り口からさまざまなものが並んでいる。
手押し式の消防ポンプ車は「酒づくりの森」のある別所地区に保存されてきたものだという。

秩父錦の樽。
矢尾商店の鬼瓦?
手押し式消防ポンプ車。
シカとクマの剥製。

続いては日本酒を造るうえで重要な精米歩合についての説明。
精米歩合とは玄米を削って残ったお米の割合で、たとえば精米歩合が60%ならば玄米から40%削ったことになる。吟醸酒や純米大吟醸酒などの基準でもあり、香りや味わいに影響するという。
スタッフの方の説明により、日本酒は本当に手間暇かけて造っていることが今さらながらよくわかった。

さまざまな秩父錦。ワタシの好きなにごり酒が!
玄米や精米されたお米。精米後はかなり小さい。
矢尾商店にはリキュールやクラフトビールもある。
館内にはより大きな杉玉が!

さらには貯蔵室の中まで案内していただく。
室内は日本酒のいい香りが漂っていて、ここにずっといると香りだけで酔えてしまいそう。
それにしても秩父錦はいい香りだったなぁ!

日本酒は温度に影響されやすいため、室内の温度は一定に保っているという。貯蔵室の中は上着をまとっていても寒いくらいだった。
こちらではワタシがどぶろくについての質問。スタッフの方によると、どぶろくはもともとす工程を経ないお酒のことだったが、現在の濁り酒は漉す工程を含むものもあるという話だった。

ここでスタッフの方は忙しそうに観光物産館へ戻り、以後はワタシたちのみで見学。忙しいなか、いろいろ教えていただきましてありがとうございました!

蔵人のマネキンはイケメンが多い!?

酒蔵資料館の2階には、酒造りに関するさまざまな資料や道具が展示されている。
まず最初に目に飛び込んでくるのが、「秩父錦」の文字が見事な染め抜きの太鼓暖簾。時代劇にて商家の前によくあるアレですよ!
時代小説の校正をしているワタシにとって、こういった過去の道具を見るのは非常に勉強になる。当時の雰囲気をつかむにはまたとない機会ですからね!

真ん中にあるのが太鼓暖簾。
昔の帳場にあった道具類。
主人や番頭たちが仕事をしていた帳場格子。
そろばんや銭箱など。

こちらの資料館は道具類だけでなく、絵画や書類などの資料が充実しているのもうれしいポイント。
江戸時代後期の文政11年(1828)に幕府が編纂した「新編武蔵風土記稿」の版画を見ると、当時の大宮郷(現在の秩父市)の様子がよくわかる。
こういう絵を見ると、少しずつ当時の世界に入り込んでいくようで気分が乗ってくる。
さらには、酒造りにおける過去と現在の違いを解説するコーナーや、当時のさまざまな書類が展示されているコーナーもあった。
ブログに掲載してある写真には過去の工程しかないが、その下部には現在の工程も写真つきでしっかりと解説されている。

「新編武蔵風土記稿」の版画。
過去の工程①洗米。
過去の工程②麹造り。
過去の工程③酛卸し。
過去の工程④仕込み。
過去の工程⑤上槽。
寛延2年(1749)の証文。
道具の目録。
酒造り関連の記録。
当時の帳簿にあたる大福帳。

酒蔵資料館2階の中央部分には酒造りにまつわる道具類がズラリと並んでいる。
これだけの道具を使いながら造られた当時のお酒はどんな味だったのか。一度味わってみたかった。

それにしてもマネキンの蔵人くらびとはイケメン揃いだ。

Kもかなり真剣に見学していたが、ワタシと同じようにイケメン蔵人が気になったようだ。
そして、「そういえば『ナイトスクープ』のマネキンも蔵人じゃなかった?」という思わぬひと言が。
そうそう、テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」で、マネキンに恋した女性が結婚式を挙げていた伝説回があったなぁ…。確かにあのときのマネキン、蔵人だったわ。それにしてもよく覚えてたな。

看板や道具類①。
看板や道具類②。
名だたる画家たちによる祝杯。

また、酒蔵資料館の2階からは仕込室の様子も見学できる。
こちらから見えるのは床からポコッと突き出たタンクの上部のみ。下部は床下の冷貯蔵設備の中にあるのだとか。
仕込室が見られる通路はフロアの奥まった目立たないエリアにあるので、見逃さないように要注意だ。

ワタシたちが見学しているとき、他に2つのグループがあった。
ひとつはアラサーと思しきカップル。こちらは男性のほうが夢中になって女性に解説。観光物産館でも見かけ、試飲や試食を楽しんでいた。
もうひとつは小さな女の子が1人交じった男女数人のグループ。2階の展示物が面白いこともあったのだろうが、見学が終わる頃には女の子がキャッキャとハイテンションに。館内にほんのりと漂うお酒の香りで酔っちゃったのかもしれない…。

ソフトクリームからお酒の風味が

酒蔵記念館の見学後は観光物産館に戻って買い物。
いろいろな味わいを楽しみたいため、吟醸酒、特別純米酒、特別本醸造の生貯蔵酒3本セットとにごり生酒を購入する。

こちらの観光物産館では酒ソフトクリームも販売しており、冬だったがせっかくなので味わってみる。
秩父錦の入った酒ソフトクリームは、口にした直後にまずお酒の味わいが広がり、それから甘みを感じるといった具合。意外とクセがなくておいしかった。
ただし、繰り返すがこちらのソフトクリームはお酒入り。子どもや車の運転手は食べられないのでご注意を!

さらっと流そうと思えば流せるが、ひとつずつじっくりと見ていけばかなり面白い酒蔵資料館。
ワタシたちは1時間以上かけて堪能してしまいましたよ!

「年末は秩父の古民家で in 埼玉」一覧

①【手打そば 田中屋】舞茸の天ぷらを堪能!
②【秩父錦 酒づくりの森】酒造資料館で日本酒の魅力を再確認!
③【秩父珍石館】某テレビ番組の人面石くんがここに!
④【民宿すぎの子】激安価格でお鍋が味わえる!
⑤【秩父札所巡り】地獄の沙汰も御手判次第!?

(お出かけ日:2024年12月29日~12月30日)
※施設情報は2025年1月時点のものです。

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