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秩父札所18番【神門寺】本堂裏手の回廊巡りでご本尊と結縁

秩父札所巡り
神門寺

【神門寺】基本情報

白道山 神門寺ごうどじ
■住所:埼玉県秩父市下宮地町
 5-15

■駐車場:あり
■電話:0494-25-0598
【御朱印受付 基本情報】
■受付時間:8:00~17:00
 ※11月~2月は16:00まで
 ※12:00~12:30は昼休憩
■定休日:なし
■御朱印料:500円
 ※2巡目以降は200円

かつては今宮坊(現14番札所)に属し、長生院という修験寺として栄えた寺院。もともとは神社で、その頃は門前の左右に大きな榊がそびえ、楼門のようであったことから「神門ごうど」と呼ばれていた。それが寺院の名前の由来にもなっている。かつて本堂は6間(約10.9m)四面あったといわれるが、江戸時代の寛政年間(1789~1801)に火災のため、ほとんどの堂宇が焼失。天保年間(1830~1844)に観音堂のみ再建される。明治時代に入ると神仏分離令や修験道禁止令で大打撃を受け、長生院は存続が不可能になってしまったため、観音堂は曹洞宗の寺院として再出発。現在の観音堂は方三間(1辺が約5.5m)で、本尊の聖観音は1m以上ある。普通、聖観音は左手に蓮華を持っているが、こちらの本尊は両手に持っているのが特徴だ。

Kとの秩父札所巡りで21番目に訪れたお寺。
国道140号沿いにあり、秩父市街の北側に位置する。
国道沿いにある駐車場からでも境内に入れるが、本堂の正面から入りたければ、境内の南側に細い道があるので、そちらから入ろう。

山車の影響が見られる「神門寺」の本堂

「神門寺」の境内はあまり広くはなく、西側に蓮華堂や納経所、休憩所などが並んでいる。ただし、境内が狭いからといって見どころが少ないわけではない。

まず目に入ってくるのが江戸時代末期に建てられた本堂だ。
こちらの本堂は3間(約5.5m)四面と決して大きくない一方で、張り出した屋根だけでなく唐破風の向拝が大きい。

本堂を手がけたのは秩父の名匠として知られる宮大工の藤田若狭。藤田家は寺社や秩父夜祭の山車を数多く残していて、「神門寺」の唐破風にその影響が見られるという。
また、虹梁には秩父出身の芸術家・森玄黄斎による御詠歌の扁額も掲げられている。

存在感を放つ大きな向拝。
下部の扁額が森玄黄斎の作品だ。
向拝には亀や龍が彫られている。

「観音霊験記」の扁額は本堂の左側、納経所の前にある。
「神門寺」が神社だった頃に廃れた社を再建しようと神楽を奉納したところ、神が宿った巫女が「この地は神社よりも寺院のほうが栄える」と告げたのだとか。

「神門寺」の御朱印。
「神門寺」の納経所。
「観音霊験記」の扁額。

本堂の前に向かい合うように立つ蓮華堂と不動堂

境内には蓮華堂と不動堂の2つのお堂も立っている。本堂に向かって右側にあるのが蓮華堂だ。
こちらのお堂には釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩の釈迦三尊、阿弥陀如来、聖観音菩薩、勢至菩薩の阿弥陀三尊、他に大日如来、薬師如来、虚空蔵菩薩が祀られている。

狭い空間で9体の仏像に囲まれると、さすがにワタシも厳粛な気持ちになってしまった。

左側に並ぶ阿弥陀三尊。
正面には釈迦三尊が。
右側の大日如来、薬師如来、虚空蔵菩薩。

本堂に向かって右側、蓮華堂に向かい合うように立っているのが不動明王を祀った不動堂だ。
こちらの不動堂は本堂と同じく向拝や張り出した屋根が立派で、小さいながらも迫力があった。

本堂を小さくしたような不動堂。
正面に祀られた不動明王。
たくさんの這子も奉納されている。

蓮華堂や不動堂の周囲には石仏や石碑も点在。
中でもニコニコ地蔵はまだ新しいもののようで、柔和な表情が印象的だった。

本堂の向かって右側に鎮座する観音さま。その足元には素朴な七福神なども並ぶ。
蓮華堂の横に鎮座するニコニコ地蔵。
不動堂の前から見た境内。
不動堂の前の巳待供養塔など。
古い馬頭尊や庚申塔もある。

本堂の裏手にある回廊でご本尊と縁を結ぶ

そして「神門寺」で忘れてならないのが、本堂の裏手でできる回廊巡りだ。
本堂の廻縁から裏手に向かうと入り口があるので、そこから回廊に入れるようになっている。
一時期、回廊には入れないようになっていたようだが、ワタシたちが訪れた2025年2月の時点ではお参りが可能だった。
こちらの回廊にはさまざまな仏像が鎮座しているほか、中央にはお手綱があり、ご本尊と結縁できるようになっている。仏像の中でもKは素朴な木彫りの仏像がお気に入りだった。

本堂の正面左手にある案内板。
こちらは回廊の入り口。けっこう狭い。
天井から下がっているのがお手綱だ。

「神門寺」は狭い境内に見どころがギュッと詰まっている。そのため、散策に意外と時間がかかるかもしれない。
ただし、お参りをして御朱印をいただくだけで終わらせるにはあまりにのもったいない。
実際、ワタシたちがこちらに滞在したのは40分ほど。逆にそのくらいで散策できるので、回廊巡りも含めて「神門寺」をたっぷりと満喫してほしいと思う。

蓮華堂の隣にある休憩所。

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(お出かけ日:2025年2月19日)
※施設情報は2025年3月時点のものです。

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