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秩父札所8番【西善寺】境内に樹齢約600年の大きなコミネカエデあり

秩父札所巡り
西善寺のコミネカエデ

【西善寺】基本情報

清泰山 西善寺
■住所:埼玉県秩父郡横瀬町
 横瀬598
■駐車場:あり
■電話:0494-23-3413
【紅葉シーズンについて】
紅葉期間中(11月中旬~後半)はコミネカエデ維持管理・境内整備のため拝観料が必要となります。
■拝観料:拝観目的の場合 100円
 撮影目的の場合 200円
 (三脚使用 300円)
※札所参拝並びに御朱印のある
 場合、拝観料は不要です。
■紅葉拝観時間:9:00~15:30
【御朱印受付 基本情報】
■受付時間:8:00~17:00
 ※11月~2月は16:00まで
 ※12:00~12:30は昼休憩
■定休日:なし
■御朱印料:500円
 ※2巡目以降は200円

樹齢が約600年という埼玉県指定天然記念物のコミネカエデが有名な寺院。「嫁・姑円満成就の寺」「ぼけ封じの寺」としても知られている。鎌倉時代初期、恵心僧都(源信)の作といわれる十一面観世音を本尊として、旅僧が武甲山のふもとに根岸堂を建立。寛正元年(1460)、竹印昌岩禅師が西禅寺を開山。禅宗寺院ながら浄土教の流れを汲む阿弥陀三尊仏を本尊としつつ、荒廃していた根岸堂を別当寺として管理するようになる。永正12年(1515)、 関東管領に任ぜられた上杉憲房が西禅寺の伽藍を整備して再興。根岸堂も境内に移築され、これを機に西善寺という名称に変わる。江戸時代の後期には2度の火災に遭い、現在の本堂は弘化2年(1845)に再建。明治時代に入ると廃仏毀釈によって根岸堂が取り壊されたために十一面観世音が本堂に移され、現在に至っている。

Kとの秩父札所巡りで25番目に訪れたお寺。
飯能方面から国道299号を使って来た場合、西武観光バス「根古屋」のバス停の手前あたりで南西方面に曲がり、細い坂道をしばらく進んだ先に「西善寺」はある。
国道299号で飯能方面から秩父市街に向かう際、一番最初に見かける札所の案内板が「西善寺」だ。位置的には同じく国道299号沿いにある7番札所「法長寺」よりも飯能寄りにある。

駐車場そばのお地蔵さま。

石段を下りた先にある堂々たる本堂

「西善寺」は駐車場のそばに薬医門形式の山門がある。
薬医門とは親柱の後ろに2本の控柱を立て、切妻の屋根をかけた形式の門で、その名称は矢による攻撃を食い止める「矢食い」が由来という説、かつて医家の門として使われていたためという説がある。

境内を囲っている塀は白さがまぶしいほどに真新しい。ワタシが「西善寺」について調べているとき、古い板塀が写った写真を数多く見かけていたこともあり、印象が違っていてちょっと驚いてしまった。どうやら最近、山門を残して漆喰の白壁に改修されたようだ。

ちなみに、「西善寺」は「東国花の寺百ヶ寺」に加盟していて、山門にその扁額が掲げられている。
「東国花の寺百ヶ寺」とは関東1都6県の「花の寺」と称される寺院の集まりで、現在は100以上のお寺が加盟。秩父札所では29番札所「長泉院」、32番札所「法性寺」も名を連ねている。

山門に掲げられた「東国花の寺百ヶ寺」の扁額。
山門そばの古い石塔。刻まれた文字がかろうじて読める。

「西善寺」も20番札所「岩之上堂」と同じように、石段を下りた先に本堂があるのが特徴だ。
ただ、石段はそれほど多くないし、決して急でもない。それでも危ないと思ったら、ためらわずに手すりを使って下りるようにしよう。ワタシは膝に不安があるので、手すりはよく使っている。
なお、納経所の「嚮岳楼きょうがくろう」は山門を入ってすぐ左側にある。「嚮岳楼」の名称は武甲山を愛で、多くの参拝者をもてなす意味を込めてつけられたそうだ。

石段の上から見た境内。
石段の下から。上にあるのが納経所だ。
納経所の「嚮岳楼」。

寄棟造りで唐破風の向拝を配した本堂は間口7間(約12.7m)、奥行き6間(約10.9m)。近づくと見上げてしまうような大きさだ。
堂内は外陣が土間になっていて、こちらでお参りすることに。また、正面中央の内陣には弘化2年の御詠歌の額のほか、美しい欄間彫刻もある(ただし堂内は撮影禁止なので要注意)。

恵心僧都の作といわれる札所ご本尊の十一面観世音は坐像で、総開帳のとき以外は秘仏とされる。

この他にも本堂にはお寺のご本尊であり、同じく恵心僧都の作とされる阿弥陀三尊像も安置。こちらの宝前で祈祷した肌着をつけると、ぼけ封じ、延命長寿、安楽往生のご利益があるとのことだ。

生命の息吹を感じさせる樹齢約600年のコミネカエデ

境内で目を引くのは、やはり埼玉県指定天然記念物のコミネカエデだろう。樹齢が約600年といわれる古木は幹囲り2.9mで樹高は9m、枝は東西に20m、南北に18mも張っているのだとか。
ワタシたちが訪れたのは冬だったが、葉が落ちているぶん四方に枝を張る力強さを間近に感じることができて、今も成長を続けているというコミネカエデの生命力を存分に味わえた。

根を傷めないようにするためだろう、コミネカエデの周りには柵が張られていた。当たり前だが、柵を越えて近づかないこと!

コミネカエデの周りには柵が。その中に入るのはダメ。

他にも境内には六地蔵をはじめとした石仏が点在している。
どのお地蔵さまも暖かそうにしているのが印象的だ。六地蔵は昔話の「笠地蔵」に登場するお地蔵さんたちのように5体は菅笠をかけ、1体は手ぬぐいをかぶっていた。
また、本堂の前には「なで佛(おびんずる様)」も鎮座。半跏趺挫はんかふざの姿勢は珍しいという。

「なで佛」では体の悪いところを撫でよう。
コミネカエデそばの六地蔵。
コミネカエデそばの如意輪観音。

ワタシたちは都内から国道299号を使って来るため、秩父を訪れるときはいつも「西善寺」の案内板を見かけていた。
それだけに「こちらは行きやすそうだ」と油断。結局、「西善寺」をお参りするのが25番目になってしまった。

「西善寺」の御朱印。
かつての納経所。本堂に向かって右手、コミネカエデのそばにあり。

一方で、残る札所は9か所。2024年6月に札所巡りを始めたときは全部巡れるのか不安だったが、そんなワタシたちにもついに結願の日が見えてきた。
2026年の午歳総開帳では2巡目から始められるよう、今年中に残る9つをお参りするつもりですよ!

秩父札所34観音霊場」一覧 >

(お出かけ日:2025年2月19日)
※施設情報は2025年3月時点のものです。

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