意外と体力を残した状態で宝登山を下ったワタシたちは、その足でふもとの「寳登山神社」へ。
以前訪れたときは秩父鉄道・秩父本線の長瀞駅あたりに車を停めてそこから歩いたので、今回はまったく逆のルートから神社を目指すことに。おかげで新鮮な気持ちで「寳登山神社」を向かうことができた。とはいえ、途中の山道は木々がうっそうとしたところもあり、ちょっと不安だったが…。
「寳登山神社」本殿の彫刻にほれぼれ
山を下りている途中で「寳登山神社」と刻まれた石碑があったので、ワタシたちは誘われるようにそちらの道へ。
こういうとき、あらかじめコースを調べておくといいのだろうが、「現地に行けば案内板があるだろう。行けばわかるさ!」という考えのワタシはどうしても勢いに任せてしまうところがある。
まあ、これまで大きな失敗もなく、Kに叱られたこともないので結果オーライとしておきましょうかね。
ハイキングコースを下っていったワタシたちは、本殿の下にデンとそびえる大きな二の鳥居の前に出る。
前にお詣りしたときも「おっきいなぁ!」と感心した鳥居だ。この鳥居を目にするだけで、「寳登山神社」は格が違うんだなぁと感嘆してしまう。
ただ、本来なら奥宮の参拝は本殿のあとにしたほうがよかったような気がしないでもない。ここはロウバイパワーに負けたということで勘弁していただこう。
石段を上っていると少しずつ本殿が見えてくる。
お寺や神社を参拝するとき、なぜかはわからないが、ワタシはこのタイミングでごく軽い緊張を覚えることが多い。
なので、参拝時に他の方々が言うような「癒やされた~」という感覚を抱くことはほとんどないのだ。とはいえ、神様を前にして不遜な態度を取るよりはよっぽどマシだと思っている。
【寳登山神社】基本情報
ワタシたちが本殿の前に着いたとき、どこかの団体がちょうどご祈願している最中だった。
そのため、ワタシたちや他の参拝者はしばらく境内の端のほうで待機。ただ待つのもなんだったので、ワタシは狛犬を撮影していた。
団体のご祈願が終わったところでワタシたちもお詣りして、その後に境内の散策。
それにしても「寳登山神社」の本殿は彫刻の彩色が鮮やかだ。一方で、これがときを経て味がにじみ出てくるところもまた見てみたいなぁ、なんて思ってしまう。ワタシ自身がどこまで長生きできるかにもよりますがねぇ。
「寳登山神社」本殿の周りにはたくさんの社が!
「寳登山神社」は秩父三社のひとつだけあって、平日でも参拝者が途切れることはなかった。
一方、広い境内にさまざまな神社や建物があるものの、そちらを回る人は意外と少ないような…。せっかくお詣りに来たのだから、ちょっともったいない気もしてしまう。
…なんてえらそうなことを言っておきながら、あとで写真を見返してみると、ワタシ自身もいくつか撮り忘れがあったりして。そのくらい本殿の周りには小さな社が多い。
気を取り直して紹介すると…まずは日本武尊社だ。「寳登山神社」は日本武尊と深い縁があるだけに、境内には日本武尊社が鎮座している。
日本武尊が東国を平定し、その帰りに秩父へ立ち寄った際、山の美しさに惹かれて、禊ののちに山頂を目指すことにしたのだとか。途中、山火事に遭うものの山犬たちが現れて火を消し止め、一行を頂上まで案内したのち、山犬たちは姿を消してしまう。
日本武尊はこの出来事を山の神が眷属の大口真神である山犬を遣わしたものだと感得。山頂に神籬を設えて神武天皇、大山祇神、火産霊神を祀ったという。
また、このときに日本武尊は山の名を「火を止める山」とし、「火止山=ほどさん」と定めた。これが「寳登山神社」の始まりとされている。
本殿の裏からは細い道が続いていて、その先には倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀る宝玉稲荷神社も鎮座している。
こちらでは毎月15日にお炊き上げ祭が催され、2月の初午には初午祭が行われるのだとか。
このあたりになると人をほとんど見かけることはないが、ワタシたちはせっかくなのでお詣りしていく。
さらにさらに、宝玉稲荷神社の前の石段を下りていくと、そこには「寳登山神社」と縁が深い「玉泉寺」もある。実はこの散策ルート、以前訪れたときと同じだったりして。
【玉泉寺】基本情報

永久元年(1113)、弘法大師を敬う僧の空圓が宝登山のふもとに開基。江戸時代には寳登山神社の別当を務め、神仏習合の中で神社は「寳登山大権現」と崇められる。明治時代の神仏分離によって別当を廃し、玉泉寺は真言宗智山派に属しながらも、お互いに支え合う形は現在も継続。寳登山神社の現在の社殿を再建するのに尽力した榮乗が住職を務めた寺院でもあり、榮乗の奮闘で菊紋の使用を許されている。
たっぷりと時間をかけて…といっても、二の鳥居から「玉泉寺」まで回っても1時間もかからなかったはず。
ただ、朝からほとんど歩きっぱなしでさすがに疲れてしまった。
…と思ったら、「玉泉寺」のあたりでロウバイを発見したKはすぐさま近づき、その香りを堪能してニコニコとご機嫌な様子。
ロウバイパワー、やっぱり恐るべし、である。
「ロウバイは梅じゃないよ in 埼玉」一覧
①【宝登山ロウバイ園】関東でも屈指のロウバイの名所へ!
②【寳登山神社 奥宮】山頂にある木立に囲まれた神域
③【寳登山神社】宝登山のふもとに広がる秩父三社の1社
④【秩父札所巡り】本日はどちらのおそばにいたしましょう?
(お出かけ日:2025年2月18日~2月19日)
※施設情報は2025年4月時点のものです。