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あの人は流れ星のように… in マイアミ⑤

MLB観戦記
ホゼ・フェルナンデスに捧げられた花束やメッセージ
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あの人は流れ星のように… in マイアミ④」からのつづき

9月28日。
8:30に起床し、今日もカップヌードルで朝食。10:00に球場へ向かう。
そういえばマイアミに来てマイアミビーチに1回も行ってないが、この日も行く気はまったくなし。
MLB観戦のときは試合中心で動くので、いつも観光名所は後回しになる。

この日は快晴で日差しがきつい。それでも1時間かけて歩いてしまうワタシ。そりゃ腕も自然と焼ける。
リトルハバナの道を歩いていて、ポイ捨てされている黒茶色っぽい小さな物体を何度も見かけたのだけれども、なんとこれらは葉巻の吸い殻。キューバの葉巻が有名なことぐらいは知っていたが、ここまで馴染んでいるものとは思わなかった。

途中、バス停にて脚を伸ばしてベンチに腰かけている2人組のおばあちゃんと遭遇。
おばあちゃんたちの前を通り過ぎようとしたところ、2人揃って伸ばしていた脚を引っ込めてくれる。
思わずお辞儀をしたら、これまた2人揃ってお辞儀を返してくれた。
なんかかわいいおばあちゃんたちだった。

遠くへ去ってしまったあなたへ…

11:00頃に球場へ到着。この時点でなぜかキューバ系の人々やテレビ局のスタッフを数多く見かける。
何かあるのかなと思いつつ、マーリンズ側の入り口に行ってみるとIOさんやエイミーさんたちがすでにいて、しばらくするとJさんもやってきた。
Jさんによると、大の野球好きだったホゼの棺が球場まで来て、選手やスタッフ、ファンに見送られて教会へ向かうのだという。

Jさん曰く「リトルハバナで暮らすキューバ人のヒーロー」だったホゼの死を悼む人々が彼に別れを告げるべく、球場に続々と集まっているのだとか。
亡くなった直後から花束やメッセージが捧げられた球場の支柱は今や祭壇のようになっていて、支柱には改めてシートが貼られ、その直後から人々がメッセージを書き込んでいた。

さらに、マーリンズ側の入り口周辺には柵が張られ、フェルナンデスを迎える準備が粛々と進む。
やがて球団スタッフに続き、「RIP」(Rest in Peace)とプリントされたお揃いのTシャツに身を包んだ選手たちも球場の外に出てきて、フェルナンデスを待った。

朝はどこまでも続くような青空だったのに、この頃になると球場の上を灰色の雲が覆いはじめ、やがてぽつぽつと雨が…。
泣いている人がいるわけでもない。
声を上げる人すらいない。
それぞれの人がそれぞれの悲しみを胸の内に秘めて、静かにフェルナンデスの到着を待っていた。
それが天に伝わったのかどうかはわからない。
ただ、涙雨が本当に降ることをこのときに初めて知った。

しばらくすると周辺に緊張感が漂う。どうやらフェルナンデスの棺が近づいてきているようだ。
警察のバイクに先導されてやってきたのは、フェルナンデスの棺が載った霊柩車。さらには家族の乗る車も続き、選手用入り口で停まった。
口笛を吹く人、「ホゼ!」と叫ぶ人、帽子を取る人などワタシの周りの反応はさまざまだ。でも、みんな大好きなフェルナンデスとの突然の別れを悲しんでいることは変わらない。
この頃になると、メッツの選手も何人かフェルナンデスの見送りに来ていた。
車から降りた家族が球団スタッフとしばらく言葉を交わしたのち、フェルナンデスの棺は家族の車とともに球場を去っていった。あなたのことを愛したたくさんのキューバの人たちに見送られて…。

続いて選手たちはフェルナンデスの祭壇が設えられた球場の西側に移動。
大型ビジョンに映し出される、フェルナンデスの生前の姿を集めたダイジェスト映像をファンとともに見守った。

これと前後してフェルナンデスのための祭壇となった支柱に向かう選手もちらほら。
フェルナンデスへのメッセージを書き込む選手だけでなく、中にはファンの記したメッセージを熱心に読む選手もいた。
あとで知ったことだが、支柱に書き込まれたメッセージには「流れ星のように早く、遠くへ去っていってしまった」と、フェルナンデスの死を悼むものもあったという。

しばらく選手たちを見守ったあと、ワタシは支柱から離れた。
先ほどまで空を厚く覆っていた雲は散り、空は青さを取り戻していた。

試合後のイベントにてワタシに向かって選手が…!?

17:00前、渡米前にこの日の試合を観戦する約束をしていたITちゃんとチケット売り場で合流。
ちょっと奮発して68ドルの三塁側内野席のチケットを買う。

球場内ではITちゃんとともに一塁側ベンチの近くへ移動し、でメッツの練習を見学。
このとき、昨日も見かけた解説者らしき人物が、1997年のマーリンズ優勝時メンバーの1人であるアル・ライターだと判明!
サインをいただく機会に恵まれたのは、英語がけっこうしゃべれるITちゃんが周囲の会話から判断してくれたおかげですよ!
ただ、ITちゃん自身はライターのことを知らなかったようで…。

売店でごはんを購入し、自分たちの席へ移動すると、ゴードンがサイン会をスタート! 今回はITちゃんもしっかり参加。
ジャスティン・ボーアもサイン会を始めたもののワタシは食事中で、急いで食べたけれども間に合いませんでした…。

試合は今日もマーリンズ投手陣がメッツ打線を押さえきれず、2-5で敗退。
特にマーリンズの先発のホゼ・ウリーナはランナーが出るとグダグダだった。

この日は本拠地最終戦ということで試合後にはちょっとしたイベントが。
選手はインタビューに答えたり、子どもに野球用具をプレゼントしたり。
さらに各選手がTシャツを客席に投げ込んでくれるイベントも!
このとき、ある選手がわざわざワタシを指差して、ワタシに向かってTシャツを投げてくれた。
もちろんワタシはしっかりとキャッチ! ありがとう!! 興奮していて、相手の選手が誰だか確認できませんでしたけど…。

イベント終了後にITちゃんと別れ、各自タクシーでホテルへ。
23:00頃に到着。明日は4:30に起きて空港に向かうため、まずは荷作り。
日記を書いたのち、1:30からちょっと仮眠。
今回の旅は今日でおしまい。
悲しい出来事から始まった旅だったけど、心に残るシーンがいくつもあった。
いつか誰かに伝える機会があったらいいなぁ、そんなふうに思える旅だった。
ありがとう、マイアミ!
次はちゃんとマイアミビーチにも行きますよ!!

あの人は流れ星のように… in マイアミ」おしまい

(お出かけ日:2016年9月25日~9月30日)
※敬称略させていただきます。
※施設情報は2024年8月時点のものです。

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