ワタシは横溝正史が好きだ。
なぜなら小説の楽しさを最初に教えてくれた作家さんだからだ。
横溝正史の作品はかなり読んだ。さて、次にしてみたいことはというと…横溝正史にまつわる土地に実際に行ってみること。
そうなると横溝正史と縁が深い岡山県に行きたくなるが、東京に住むワタシがおいそれと行ける距離ではない。
じゃあ他にないのか…と探しているときに引っかかったのが長野県にある「井出野屋旅館」。ここは横溝正史が原作で、1976年公開に公開された映画「犬神家の一族」と関係がある場所なのだ。
そこで会社の元同僚であり、仲のいいHさん&Nさんに旅行先としてプッシュ!
すると映画「犬神家の一族」が好きなHさんも興味を持ってくれたようで、すんなりと行き先が決定。
実はHさんとは映画に登場した黒メガネ(決してサングラスではない)をかけた犬神奉公会の男について大盛り上がりしたこともあるので。
信州財閥の大物である犬神佐兵衛の遺言状が披露された際、条件によっては犬神奉公会に財産が譲渡されるとわかると犬神奉公会の男がガバッと頭を下げ…。このシーンの必要性について、30分近くトークが弾む相手なんてなかなかいませんしねぇ。持つべきものは友ですな。
ワタシたちの間で天来ブームが到来!?
2014年11月29日。
8時過ぎに池袋でHさんやNさんと合流し、高速バスで佐久平へ。
佐久平には12時前に着き、バスを乗り継いで望月へ移動。本日のお宿である「井出野屋旅館」には13時に到着する。ただし、まだチェックインはできないので荷物を預かっていただいて町の散策へ。
かつて望月は中山道六十九次の25番目の宿場町として栄え、今も旧中山道沿いに当時の面影を残す建物が点在している。
平成14年(2002)には中山道開設400年と、望月出身で「現代書道の父」といわれる比田井天来の生誕130年を記念して、天来門流の書道家たちによる屋号看板の揮毫会を開催。「書の里」としても知られるようになったのだとか。
先に白状しておくと、ワタシたちの中には「望月=井出野屋旅館」という程度の知識しかなく、比田井天来どころか望月が「書の里」と呼ばれていることをまったく知らなかった。
だから、ワタシたちが「佐久市立 天来記念館」へ最初に向かったのも、望月についての情報や観光マップを入手するのが目的だったりして…。申し訳ない。
佐久市立 天来記念館
■住所:長野県佐久市望月305-2
■開館時間:9:00~17:00
■休館日:月・火曜日(祝日の
場合は翌日)
祝日の翌日(土・日・祝日に
あたる場合は開館)
年末年始(12月29日~
1月3日)
■入館料:一般 310円
高専大学生 260円
小中学生 150円
※団体料金や「望月歴史民俗
資料館館」との共通券あり
■駐車場:あり
■電話:0267-53-4158
昭和50年(1975)に開館した、文部科学省博物館登録による日本初の書道専門博物館。「現代書道の父」である比田井天来を顕彰するとともに、その代表作品を展示。さらに、妻の小琴や天来門流書家の作品も収蔵・展示。記念館は白壁と鉄平石で装っており、その土蔵風の造りも特徴のひとつ。
こちらでは比田井天来についてほぼ無知なワタシたちに対して、学術員さんが丁寧に解説してくれた。
書の力強さ、さらにはわかりやすい解説のおかげで、ワタシたちの間では一時的ながらも比田井天来がブームに。
Hさんなんてしばらくの間、ことあるごとに「天来先生が~」と口にしていたくらいで…。今でもたまに口にしているので、よほどのインパクトだったのだと思う。
記念館を出たワタシたちはたまたま見かけた「伊勢屋」で遅い昼ごはんを摂りつつ、いただいた観光パンフレットやリーフレットを広げて今後の作戦会議。
すると、それを見たお店のおばあちゃんが町に芸者さんがいた頃の思い出をはじめ、望月についていろいろと教えてくれる。
大正から昭和にかけては養蚕業で栄えていたようだが…今の静かな町並みからは想像できない姿だ。
「佐久市立 天来記念館」の学術員さんや「伊勢屋」のおばあちゃんの情報をもとに、遅めの昼食のあとは再び望月散策を開始。
といっても、ワタシたちに大した計画などない。
「佐久市立 天来記念館」と「望月歴史民俗資料館」の共通券を買っていたワタシたちは「望月歴史民俗資料館」へ行くことに。
ここから暗くなるまで歩き回ることになろうとは、正直なところ想像してはおりませんでした…。
「犬神家の旅籠屋 in 長野②「望月宿」~中山道のかつての宿場町~」へつづく
(お出かけ日:2014年11月29日~11月30日)
※敬称略させていただきます。
※施設情報は2024年9月時点のものです。