PR

秩父札所4番「金昌寺」~慈母観音に癒やされる「石仏の寺」~

秩父札所巡り
金昌寺の観音堂へ続く参道

金昌寺
■住所:埼玉県秩父市山田1803
■駐車場:あり
■電話:0494-23-1758
【御朱印受付 基本情報】
■受付時間:8:00~17:00
 ※11月~2月は16:00まで
 ※12:00~12:30は昼休憩
■定休日:なし
■御朱印料:500円
 ※2巡目以降は200円

1319体に及ぶ、県指定有形民俗文化財の石仏群のある寺院。これらは天明3年(1783)から始まった大飢饉などの死者を供養するために古仙登嶽和尚が発願。かつては3800体ほどあったといわれている。寺院の縁起として、この地にかつて荒木丹下という怪貧者がおり、旅の巡礼を続ける娘が食を求めたところ、丹下は娘を打ちいためて拒絶。すると娘に「人は神の末なり妾もまた人なるを踏みたたくは神を踏むに同じなり、神は皇親の心を教え、仏は自他平等を説かれたり」とねんごろに説かれ、丹下は志を改めて入道となり、本尊供養に専心したという言い伝えが残る。唐風の本堂は3間(約5.5m)四面で江戸時代の中期に建てられた。本尊の十一面観世音立像は室町時代、行基の作といわれている。

Kとの秩父札所巡りで11番目に訪れたお寺。
埼玉県道11号 熊谷小川秩父線からだと西武観光バス・金昌寺のバス停あたりを東に曲がり、そのまま道に沿って進んだ奥に「金昌寺」はある。

「金昌寺」に着いて最初に目に飛び込んでくるのは朱塗りの楼門形式の仁王門だ。入り口の大わらじをはじめ、さまざまなものが祀られている。

山号が刻まれた扁額。
門の左右に立つ金剛力士(仁王)像の高さは約2.1m。
足腰の強い仁王像にあやかり、健脚でありたいとの願いが込められた大わらじ。
仁王門の2階に並ぶ五百羅漢。上の扁額には「西國卅三所観世音」と記されている。
仁王門に向かって左側に立つ六地蔵。その背後にはお稲荷さんがある。
六地蔵の背後のお稲荷さん。伏見稲荷の分祀といわれている。
仁王門をくぐった先に石段がある。

その存在感に圧倒されたまま仁王門をくぐると、今度は1300体以上の石仏がずらっと並んでいる姿に驚かされる。

石仏が並ぶ緩やかな坂道を上った先に「金昌寺」の観音堂がある。
こちらでひと際存在感を放っているのが、観音堂の右側にある慈母観音(子育て観音)。
柔和でのびやかな観音様の姿は心に温かいものをもたらしてくれるはず。
ちなみに、「金昌寺」はかつて「荒木寺」「新木寺」とも呼ばれていたとか。本尊である十一面観世音菩薩の複製品が取りつけられた扁額に記された「荒木寺」の文字からもそのことがうかがえる。

「金昌寺」の観音堂。
観音堂正面の扁額。
観音堂上段の扁額には、本尊である十一面観世音菩薩の複製品がついている。
観音堂の前に立つ石仏。
観音堂正面の石仏。歴史を感じさせるものが多い。
観音堂の背後にも数多くの石仏が並んでいる。
膝に抱いた赤ん坊に乳を含ませる慈母観音。マリア観音とも呼ばれ、優しげな表情がお参りする人たちの心を和ませる。縁起として、寄進者だった吉野屋半左衛門が「金昌寺」のご利益で子を授かったものの、のちに妻や子と相次いで死別。半左衛門は生前の母子の姿を浮世絵師に描かせ、それをもとにした像を建立して供養したという言い伝えが残っている。
慈母観音の案内板。
三途の川 のほとりにいて、亡者の衣類をはぎ取るといわれる奪衣婆の像。「金昌寺」ではびんずる尊者像のような存在で、自分の体の悪い部分と同じところを撫でて拝む。

観音堂でお参りしたあとは納経所へ向かい、御朱印をいただく。納経所では温和な女性の方に、丁寧に対応していただいた。
そして、ワタシたちはいつものように境内の散策タイムへ。

「金昌寺」の納経所。仁王門に向かって右側にある。
「金昌寺」の御朱印。
荒木丹下にまつわる「観音霊験記」の扁額。
酒樽の上に乗り、右手には徳利、左手には逆さにした大きな盃を持つ酒呑地蔵。この地の名主が酒で失敗し、代官の前で禁酒を誓ったことに由来するという。個人的には身につまされるお地蔵さまである。
仁王門から観音堂へ向かう途中の堂宇に鎮座している丈六の十一面観音。釈迦如来は身長が1丈6尺(約4.85m)あったとのことで、1丈6尺を略して「丈六」といわれ、その高さの仏像を指す言葉にもなった。
丈六の十一面観音の前に並んでいるお地蔵さま。
お地蔵さまとともに屋根の下に並んでいる石仏。
亀の上に乗っている姿が珍しい亀之子地蔵尊(亀甲地蔵尊)。先祖を供養するため、日本橋の横山町で商いを営んでいた丹波屋五郎兵衛が建立したといわれている。

その後、ワタシとKは奥の院を目指すことに。観音堂の右手にある階段を上り、お墓と石仏が並ぶ道を歩いていると、目の前に真新しいお堂があった。

ここでワタシは痛恨にしておバカなミス! このお堂=六角堂を奥の院(正確には「奥の院岩屋」)と勘違いしてしまったのだ。見どころを見逃さないよう、今回の札所巡りからガイドブックも持参してきたというのに…。
いつかまた「金昌寺」を訪れることがあったら、そのときはしっかりと奥の院岩屋まで回りますので! 帰宅後にこのミスに気づいたとき、ワタシはちょっと呆然としてしまいましたよ…。

ちゃんと「六角堂」と書いてあるのに…。

< 「秩父札所3番 常泉寺」へ 

秩父札所34観音霊場」一覧はこちらから >

(お出かけ日:2024年11月11日)
※施設情報は2024年11月時点のものです。

タイトルとURLをコピーしました