「湯村の杜の幻想世界 in 山梨&神奈川③「季節のお宿 ひみね」~満腹必至のたっぷり夕食~」からのつづき
「ひみね」の方々によれば、「檜峯神社」はお宿からちょっと行ったところらしい。
途中、鎖が張られた道があるものの、そこは鎖を外して入って大丈夫だから…とのこと。
そのくらいなら行けそうかな、なんて気楽に考えたのが大きな間違いだった。
ここはいったいどこ…!?
普段のワタシたちは某マップアプリ(以下、某先生)をナビとして利用している。
「檜峯神社」も某先生を使って向かったわけなのだけれども…。
某先生によると「檜峯神社」は山の中で、周囲に車が通れそうな道の表示がない!
それでも某先生はワタシたちを案内しようとしてくれている。
ならば、某先生の指示に従ってみようということになったものの…。
山裾をぐるっと回ったのち、某先生は細~い山道に入っていけとおっしゃる。
道はやがて砂利道になり、ワタシたちの不安は募るばかり。
(某先生は川っぷちや細い道が大好きだ。だから、某先生はこんな道を案内するんだ…)
そんなことを思っていると目の前に柵が現れたので、これが「ひみね」のご主人が言っていた鎖かと思ったが、1本の鎖が道を塞いでいるなんて生易しいもんじゃない。
がっちりとした柵にしっかりと鍵がかかってるじゃありませんか!
ただ、そこは分かれ道になっていたので、もう一方の道に入っていった。
その先にあったのは…工事真っ最中の堤防らしき施設。
ああ…ワタシたちは何かを間違えていたようだ。
移動中はこんな調子なので写真を撮る余裕なんてまったくなし。
この日の午後、真鶴へ向かう途中で「檜峯神社」に行けそうな道を見かけたが、もはやワタシたちに神社へ向かう気力は残っていなかった…。
ぶどうに囲まれて幸せ気分!
気を取り直して次の目的地である「恵林寺」を目指していると、ぶどうの時期が真っ盛りなだけに、道沿いには開店中のぶどう園がちらほら。
お互いに果物好きで、中でもワタシはぶどう好きなこともあり、途中でワタシとKが何やらピンときた「三枝農園」に入ることに。
三枝農園
■住所:山梨県笛吹市一宮町
狐新居139-1
■営業時間:8:30~19:00
■開催期間:6月下旬~10月下旬
■休業日:開催期間中は無休
■駐車場:あり
■電話:0553-47-3098
(昼のみ)
…ここは天国か。ぶどうだらけじゃないですか!(当たり前だが)
農園の方に「試食にどうぞ」と出していただいたぶどうをワタシは夢中になって食べてしまった。
文字どおり「貪り食う」姿にKは「そんなにぶどうが好きなのねぇ」と半ば呆れ気味。
試食のあとは、おみやげ用のぶどう選び。農園の方がぶどうの種類について丁寧に説明してくれたのでありがたかった。
ふわふわした心持ちだったために気づかなかったが、こちらの農園には桃やぶどうの60分食べ放題コースもあるのだとか。
農園の方々は気さくだし、「来年はここで桃の食べ放題をしたいなぁ。私、桃が大好きだし」とKも気に入った様子。
…来年? ちょっと気の長い話だけど、まあいいか。
恵林寺の庭園が意外な一面を引き出す!?
続いて向かったのは戦国武将・武田信玄の菩提寺である「恵林寺」。
快川紹喜の「心頭滅却すれば火も自ら涼し」の言葉でも知られるお寺である。
恵林寺
■住所:山梨県甲州市塩山小屋敷
2280
■拝観時間:8:30~16:30
■休業日:年中無休
■拝観料:大人 500円
小・中・高校生 300円
※団体割引あり
■駐車場:あり
■電話:0553-33-3011
臨済宗妙心寺派の名刹。元徳2年(1330)に甲斐牧ノ庄の領主だった二階堂出羽守貞藤が夢窓疎石を招いて創建。快川紹喜の入山後の永禄7年(1564)、武田信玄が寺領を寄進して菩提寺と定める。天正10年(1582)、甲斐武田氏の滅亡後に織田信長の焼き討ちに遭うものの、のちに徳川家康が復興し、徳川家第5代将軍・綱吉の時代には甲斐国主となった柳沢美濃守吉保の庇護で発展。鎌倉時代に夢窓疎石が作庭した庭園は国の史跡・名勝に指定されている。
県道沿いの駐車場に車を停めたのち、重厚な黒門をくぐって参道を進み、鮮やかな色合いの四脚門(赤門)へ。
徳川家康が再建したという四脚門の先にはさまざまな木が植わっていて、四季おりおりの花が楽しめそうだ。
ただし、この日はまだまだ暑い時期だったので花は見かけず、緑が鮮やかな木々が目立った。
続いて快川紹喜の遺偈が掲げられた三門へ。
三門は織田信長の侵攻の際、快川紹喜が火定を遂げた場所に建てられているのだとか。
この三門をくぐり、正面に見えるのが甲州市指定文化財の開山堂。
駐車場からここに至るまでに数々の文化財と出会えるのがまずは驚きだ。
しかし、文化財に指定されているかどうかに関係なく、「恵林寺」にはどっしりとした重みがある。
それこそ武田信玄が前に視線を向けて、どっかりと腰を据えているような…。
ワタシはこれまで「恵林寺」には何度も訪れているが、その落ち着きが「恵林寺」に惹かれる理由なのかもしれない。
開山堂に向かって右手にある門をくぐったところに建つ、見上げるような大きさの庫裏が拝観の入り口だ。
「恵林寺」は歩くとうぐいすの鳴くような音がする「うぐいす廊下」、武田信玄をモデルとしており、武田不動として尊崇される不動明王が安置された「明王殿」、月命日の12日のみ公開される武田信玄の墓所、柳沢吉保の墓所や霊廟、真っ暗な中で武田家ゆかりの御紋を探しながら歩く「冥歩禅」など、見どころがたくさん!
ただし、内部での写真撮影は禁止されているので文字によるレポートのみで…。
歩くと音が鳴るうぐいす廊下、こういうところでは音を立てないように歩こうと思うのが当然だろう。
しかし、体重が男性の平均を大きく上回っているワタシにそれは不可能。
キュッキュッと音を立てながら、廊下の中央を堂々と歩きましたよ。
もし戦国の世に生まれていても、忍者や刺客には向かないということですな。
冥歩禅では3つある御紋をKとともに2つまで見つけられた。
意地でもすべて見つけてやろうと、いったん戻って探してみたものの発見できず。
ここで見知らぬおねいさんから「3つ見つけられました?」と声をかけられ、3人で暗闇の中を探索することに。
しかし、残りひとつがどうしても見つけられない。ワタシたちは探索を中断し、冥歩禅から抜け出るのであった。残念…。
これで拝観はおしまいかな、なんて思っていたら、Kにはまだまだお楽しみポイントがあったようで。
それは本堂の裏にある庭園。実は、Kは庭園も好きなのだとか。
ここは700年近い歴史を誇る、夢窓疎石の代表的な築庭庭園とのこと。
庭の大きな池には鯉がいて、すぐ近くで売っているエサをまくと鯉がわんさかと…!
2人で夢中になってエサをまいてしまいましたよ。
あの「風林火山」の軍旗が目の前に!
「恵林寺」拝観後はすぐそばにある「歴史博物館 信玄公宝物館」へ。
この博物館もワタシは大好きなのですよ!
歴史博物館
信玄公宝物館
■住所:山梨県甲州市塩山小屋敷
2280
■開館時間:9:00~17:00
※最終入館は16:30まで
■休館日:木曜日
※4月~11月は無休
■入館料:一般 500円
小・中学生 100円
※団体割引あり
■駐車場:あり
■電話:0553-33-4560
武田氏、特に信玄の資料や文化財を中心に展示している博物館。信玄所用の遺品で国指定の重要文化財「来国長」の太刀、同じく「備州長船倫光」の短刀、信玄が陣中で礼拝仏としたといわれる「釈迦苦行座像」をはじめとした工芸品、さまざまな武具や軍旗、絵画などが展示されている。
この博物館に入り、まず最初に目に飛び込んでくるのは、あの「風林火山」の武田軍旗「孫子の旗」!
館内は写真撮影禁止のため、ここに写真を掲載できないが、実際に見てみるとその大きさに圧倒されること請け合いだ。
こんな軍旗が何本もはためく陣地はいったいどれほどの迫力だったろう…。
館内には他にも数多くの文化財が展示されていて、武田信玄好きのワタシはそれこそ時間を忘れて見入ってしまうところだが、今回はKという同行者がいる。
今回はほどほどの熱意で見学するにとどめておいた。Kへの解説もほどほどにしておきましたよ。
博物館を出たあとは小休止。
昼ごはんを食べるには遅い時間帯であり、今晩のお宿「真鶴の地魚にこだわる料理宿 しょうとく丸」で新鮮な魚をたっぷりいただくつもりだったため、近くの売店のだんごやよもぎ餅で軽くすませるつもりだったのですが…。
「湯村の杜の幻想世界 in 山梨&神奈川⑤「真鶴の地魚にこだわる料理宿 しょうとく丸」~海辺でおさかな三昧!~」へつづく
(お出かけ日:2023年9月28日~9月30日)
※施設情報は2024年8月時点のものです。