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秩父札所19番【龍石寺】観音堂が本当に岩盤の上にある!

秩父札所巡り
龍石寺

【龍石寺】基本情報

飛淵山 龍石寺
■住所:埼玉県秩父市大畑町
 15-31

■駐車場:あり
■電話:0494-23-7758
【御朱印受付 基本情報】
■受付時間:8:00~17:00
 ※11月~2月は16:00まで
 ※12:00~12:30は昼休憩
■定休日:なし
■御朱印料:500円
 ※2巡目以降は200円

荒川の浸食によってできた河岸段丘の巨大な岩盤の上にある寺院。平安時代の弘仁年間(810~824)に弘法大師が天皇の病気平癒を祈願する際、千手観音像を自ら彫刻。この観音像が村に飛来して、人々を苦しめていた悪龍を退散させたため、堂宇を建てて千手観音像を安置したのが龍石寺の始まりとされる。室町時代に一時衰退するが、15世紀末には再興。第二次世界大戦後には荒廃が進んだうえ、無住の期間もあって存続が危ぶまれたものの、地元観光協会の青年部が中心となって浄財を募り、昭和48年(1973)に解体復元された。このとき、宝永2年(1705)の墨書が発見され、観音堂の建築年代が明らかになっている。観音堂は7間半(約13.6m)四面表流れの向拝をふした方形造り。室町時代の作とされる本尊の千手観音は寄木造りの坐像で、高さは1尺5寸(約46cm)。

Kとの秩父札所巡りで20番目に訪れたお寺。
国道140号と国道299号に挟まれた住宅街の中にあり、秩父橋の東側に位置している。
団地のそばを抜けて短い坂道を上った先が「龍石寺」で、坂道を上りきったところ、納経所のすぐそばが駐車場だ。
駐車場の横には古い六地蔵が立っているが、数えてみると7体いる。どうやら中央のお地蔵さまは六地蔵には含まれないようだ。

駐車場近くの六地蔵。

「龍石寺」は岩がむき出しなので散策時は要注意

「龍石寺」の境内に立って、まず目につくのがむき出しになった岩だ。
岩盤の上にあることを感じさせる光景だが、決して寒々しい印象はない。
周囲が広々としているために「龍石寺」の観音堂の大きさをなかなか実感できないが、実は7間半(約13.6m)四面というサイズは秩父札所の中でも大きめ。
その観音堂の存在が岩のゴツゴツした印象を柔らかくしているというか…。観音堂と岩、それに開けた景色の組み合わせは一風変わった味わいがあった。

ただ、境内は各所で岩の表面が露わになっているぶん、多少歩きづらいところも。
つまずくことがあるかもしれないので、危ないと思ったら無理せずに砂利道を歩くようにしたほうがいいだろう。

境内の地面はかなりゴツゴツとした印象。
観音堂のすぐ横も岩がむき出しに。
実際に岩の上を歩いてみると、けっこう歩きづらい。
デコボコしたところもあるので、歩くときは要注意。
観音堂の周りには砂利道も整備されている。
遠くのほうに見えているのは秩父橋の主塔。

なお、「龍石寺」には弘法大師が彫ったという観音像が飛んできて、この地方を荒らし回っていた悪龍を退治したという話の他に、もうひとつ縁起が残っている。
それによると、全国で干ばつがあったときに天皇の勅で弘法大師が降雨を祈願。すると弘法大師が彫ったご本尊が京都からやってきて、この地の大きな岩が割れたという。さらに、天に昇った龍が雲を呼んで雨を降らせたおかげで五穀豊穣になり、それがお寺の名称の由来にもなったという。

その逸話は江戸時代に作成された、二代歌川広重・歌川国貞(三代豊国)の共作である錦絵「観音霊験記」に載っていて、「龍石寺」の扁額はそちらを基にして描かれている。

「観音霊験記」の扁額。

ちなみに、境内の西側には荒川を渡し舟で行き来した頃の名残である、渡船場への石段が当時のままの姿で残っている。
こちらから境内を見上げると、「龍石寺」が岩の上にあることをひしひしと感じられるようなのだが…境内の外側にあるのでワタシは見逃してしまった…。

延命身代わり地蔵尊をはじめとした石仏が点在

ワタシとKはいつものように観音堂でお参りをしたあと、納経所で御朱印をいただく。

なお、こちらの納経所は時期によっては休業していることもあるとか。その際には秩父札所巡りの公式ホームページにお知らせが掲載されているので、もし「龍石寺」に行く場合は念のためにチェックしておくといい。

「龍石寺」の納経所。
「龍石寺」の御朱印。

御朱印をいただいたあとは定番の境内散策へ。
境内を歩いてみると、意外と石仏が多いことに気づく。観音堂の近くに延命身代わり地蔵尊が立っていて、その背後にある木の周りに石仏が点在している印象だ。
また、観音堂に向かって左側には不動堂や茶筅塚もある。

こちらが延命身代わり地蔵尊。
大小さまざまな石仏もある。
かなりときを経た石仏も。
手水舎。延命身代わり地蔵尊のそばにある。
観音堂の横の小さな不動堂。
茶筅を供養する茶筅塚。

境内にはさまざまなお堂もあり

観音堂の背後にある畜霊堂。

「龍石寺」の境内には、他にもそこそこ大きなお堂もある。
そのひとつが観音堂に向かって右側の奥にある畜霊堂で、こちらは食肉となった動物たちの魂を鎮めるためのものだ。
また、観音堂の向かって左手には三途婆堂も立っている。

こちらは三途婆堂。
三途婆堂にはかわいい子どもの人形も。

三途婆堂の奥には、左から閻魔大王、奪衣婆、賓頭盧びんずる尊者の像が祀られている。
奪衣婆は三途の川を渡る際、その渡し舟の代金として死者の服をはぎ取るとされるが、実は子育ての神様として信仰されている一面も。また、閻魔大王は奪衣婆の兄とされている。

「龍石寺」は大きな一枚岩の上にあることで、俗世界の塵土を踏むことのない霊場とされている。
そう聞くとちょっと緊張してしまうかもしれないが、周囲が開けていることもあって実際には開放感がたっぷり。
住宅街の中にある異空間といった趣きの「龍石寺」、一度訪れたら何かしらの印象を必ず残してくれるはずだ。

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(お出かけ日:2025年2月18日)
※施設情報は2025年3月時点のものです。

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