4月7日。
この日は友人のIくんとドライブ。
とはいえ行き先が決まっておらず、Iくんにどこへ行きたいか聞いても、
「何も考えてない」
といつものパターン…。
ただ、ワタシにはひとつの考えがありまして。
実はこのとき、とある仕事で1000ページ以上に及ぶ本を読んでいて、これにとにかくたくさんの遺跡が出てくるのですよ。
影響されやすいワタシは「遺跡もいいねぇ!」なんて思ってしまい、ドライブの数日前から関東近辺で有名な遺跡の調査を開始。
…というか、以前から「神流町恐竜センター」か嬬恋村にある「鎌原観音堂」に行きたいと思っていたこともあり、群馬県の周辺の遺跡を重点的に調べたわけで。
しかし、懸念もひとつございましてねえ。
Iくんとドライブするときは現地のおいしいものを食べるのが恒例で。
ただ、今回は猛烈にプッシュできるグルメがなくてねぇ。
一応、事前のLINEで「群馬の遺跡に行きたがるかも」としれっと告知しつつ、代替案を少~しだけ考えたうえでIくんと合流してみると…。
「今日は遺跡なんてどう?」
「面白そうじゃん、どのへん?」
「群馬にこんなところがあるんですよ!」
…というわけで、あっさりと行き先が決定!
こうなりゃ、あとは迷わず行くのみ!
あっさりと群馬行きが決まってから車で2時間ほど。
まずは最初の目的地である「みどり市岩宿博物館」周辺に到着。
周囲は鬱蒼としているかも…なんて勝手にイメージしてたものの、ほとりの桜並木が見事な沼がすぐそばにあるし、なんとも開放感のあるところだ。
ちょうど桜が満開の時期ということもあって、家族連れの姿もいっぱい。
しかし、ワタシたちの目的は花見ではないので、まっすぐ博物館へ。
日本の旧石器時代の資料が充実した博物館!
…というわけで、やってきたのは最初の目的地である「みどり市岩宿博物館」。
沼と丘に囲まれつつも、広々とした空間に建つ近代的な建物だ。
みどり市岩宿博物館
■住所:群馬県みどり市笠懸町
阿左美1790-1
■開館時間:9:30~17:00
※最終入館は16:30まで
■休館日:月曜日
※祝日と重なる場合はその翌日
12月28日~1月4日
※臨時休館日あり
■入館料:一般 310円
高校生 200円 小中 100円
※団体料金 他あり
■駐車場:あり
■電話:0277-76-1701
日本では岩宿時代とも呼ばれる旧石器時代(約250万年前~約1万年前)の資料を集めた博物館。岩宿遺跡の石器のほか、当時の生活や生物に関する展示もあり。
この日は日曜日ということもあって、館内は混雑していると言うほどではないものの、そこそこの見学者が。
そして館内に入ると、まず目に入るのがこのページのトップにある、巨大なマンモスゾウの全身骨格!
他にも広々とした館内の展示スペースには、動物の骨や石器が数多く並んでいる。
ちなみに、なぜ「岩宿遺跡」に行こうと思ったかというと…。
旧石器時代から縄文時代に移行したのが約1万3000年前で、その頃がどんな時代だったのか知りたかったから。
なぜ旧石器時代が終わったのかまではわからなかったものの(読み流した可能性もあり)、時代の雰囲気は十分に味わえた。
展示物の圧倒的な情報量を前にして、自分の勉強不足を痛感させられもしましたけどね…。
とはいえ、約4万~1万5000年前の石器を実際に見られたことや、旧石器時代の人間の生活がうかがい知れただけでも十分に楽しかった。
「いかに石を尖らせて使うか」なんて、こういう機会でもなければ知らなかっただろうし。
教科書に書いてあって、テストのためだけに覚えた「旧石器時代」というただの単語が、知識として少しずつ肉づけされていく感じがしてうれしかった。
ド素人のワタシにもわかりやすく説明されてるし、やっぱり博物館って楽しいなぁ。
勉強不足が露呈!? 予想外の質問にしどろもどろ
展示物の中には動物が進化していく歴史を表した系図もあり、それを見たIくんがひと言。
「ほ乳類の起源ってなんだろう?」
…知らんよ。
『ドラえもん』でそんな話を読んだような記憶があるものの、詳しいことを覚えてるわけがない。
館内にいた学術員さんに聞いても、「専門外のことなのでちょっと…」という答えが。
そりゃそうだ。ここでは動物考古学は専門外だろうしね。
なお、遺跡を発見した相澤忠洋は古代瓦の研究もしていて、その活動も紹介されていたのだけれども。
このとき再びIくんから、
「古代に瓦ってあったのかな?」
…知るわけないじゃん。
そこで今度はベテランと思しき学術員さんが登場!
「ありましたよ。古代は平安時代も含まれますからね」
なんとも明確な答え! さすがです!!
このとき、「ほ乳類が~」の質問についてもフォローしてくれた学術員さん、
「もし興味があるようでしたら、『群馬県立自然史博物館』に行くとわかりますよ」
と、観光パンフレットを手に教えていただいた。
わざわざ親切にありがとうございます!
歴史を切り開いた遺跡の前に洞窟の入り口が!?
博物館見学後は実際に相澤忠洋が石器を発見した「岩宿遺跡」へ。
「みどり市岩宿博物館」からは歩いて数分だ。
岩宿遺跡
■住所:群馬県みどり市笠懸町
阿左美1781-3他
■利用時間:-
■入場料:無料
■駐車場:あり
■電話:0277-76-1701
(みどり市岩宿博物館)
昭和21年(1946)に民間考古学者の相澤忠洋が発見した旧石器時代の遺跡。当時、日本には旧石器時代はなかったとされていたが、この発見によって学説が覆っている。
ここは…シンプルに言えば道沿いにある小さな丘というか。
現在では石垣の他に石碑や案内板があるくらいで、さすがにワタシたち以外に見学者は見かけなかった。
ただし、道を挟んで遺跡の前にはこんな施設が!
目に入った面白そうなものに「とりあえず行ってみる」ワタシたちがスルーするはずもない!!
史跡岩宿遺跡保護観察施設(岩宿ドーム)
■住所:群馬県みどり市笠懸町
阿左美2418-1
■開館時間:9:30~17:00
※最終入館は16:30まで
■休館日:月曜日
※祝日と重なる場合はその翌日
■入館料:無料
岩宿遺跡の一部の地層断面を保存・展示するための施設。地層断面の標本が見られる。
こちらの施設では旧石器時代の生活を描いた10分程度のアニメ映画を上映。
このアニメ映画がまた…いい味を出してるんですよ!
観ているうちにTVアニメの昭和版『デビルマン』を思い出してしまいましたわ。
のどかとはほど遠い絵柄なのに、なぜかほのぼの。
ひととおり見学したあとは駐車場へ。
このとき、Iくんから思わぬひと言が飛び出して…。
次はまさか「群馬県立自然史博物館」ですか!?
「歴史の石段を上れ! in 群馬②「保渡田古墳群」~埴輪と博物館とお花畑~」へつづく
(お出かけ日:2024年4月7日)
※敬称略させていただきます。
※施設情報は2024年7月時点のものです。