「歴史の石段を上れ! in 群馬①「岩宿遺跡」~発見者は在野の考古学者~」からのつづき
「みどり市岩宿博物館」の学術員さんからいただいたパンフレットには、群馬県内の観光スポットがいろいろと紹介されてまして。
それを覗き込んでいたIくんが、
「ここ、面白そうじゃない?」
と見せてくれたのは…たくさんの埴輪が並んだ古墳の写真。
女の子も写っていたような気がするが、そっちに目がいかなかったのは年のせいか。
…なんてことは置いておいて、こんな古墳があるなんて初めて知った。
そこは高崎市にある「保渡田古墳群」という遺跡で、もともとワタシたちが行く予定だった「鎌原観音堂」に向かうルートからはちょっと外れた位置にあるらしい。
不安があるとすれば昼ごはんを食べ損ねる可能性があることだけど…。
まあ、それくらいなら迷わず行けよ、行けばわかるさ!
うららかな原っぱの中に巨大な古墳が!?
「岩宿遺跡」から車で1時間30分ほどで「保渡田古墳群」に到着。
見学の前にまずは昼ごはん!
しかし、周りにあるのはJAの直売所のみ…。
「鎌原観音堂」に行く途中に何かあるはずだと淡い期待を抱きつつ、直売所にあった自動販売機でアイスクリームを購入。
のどかな菜の花畑を眺めながら、アイスクリームを舐めるのであった…。
今回訪れた「保渡田古墳群」は「八幡塚古墳」「井出二子山古墳」「薬師塚古墳」という3つの前方後円墳が集まったエリアで、「上毛野はにわの里公園」として整備されているとのこと。
そしていよいよ「八幡塚古墳」へ! Iくんが埴輪に惹かれたあの古墳ですよ!!
八幡塚古墳
■住所:群馬県高崎市保渡田町
2000-1
■利用時間:-
※石棺展示室
9:30~16:30
かみつけの里博物館の
開館日に見学可能
■入場料:無料
■駐車場:あり
保渡田古墳群を形成する3つの前方後円墳のひとつ。古墳に敷かれた葺石や、配置されていた埴輪の集団が再現されている。古墳内部の玄室や舟形石棺の見学も可能。
古墳を前にした感想は…とにかくデカい!!
この日は暑いくらいの気温だったので、古墳を1周したうえでてっぺんまで登るのはちとしんどいような…。それでも勢いで行ってしまうのがワタシたちでして。
まずは古墳のてっぺんまで登ってみると、周囲にはなんとものどかな景色が。
さらにてっぺんには玄室への
入り口まで!
もちろん入りますよ!!
こちらが玄室の内部にある舟形石棺。意外と小さいことに驚いた。
当時の人々の体格って小さかったんだろう。
なお、写真がボケボケなのはご勘弁を。
ここまで歩いて疲れてましたし、古いデジカメを使ってまして。
「写真に対するこだわりがない。記録として撮影している」
なんてことをよく言われる人でもあるので…。
こちらはIくんが見たかった注目の埴輪群。
後づけの知識だけど、これらの埴輪は古墳が造られた当時を想定して配置されているのだとか。
ただし、ワタシが撮った写真はこれだけ…。
普段なら、できる限り近寄ってみたり、角度を変えたりして、もう少しいろいろと写真を撮影している人なのですが…。
どうやらワタシは疲れていたようだ。
ちなみにIくんは写真を1枚も撮っていなかったのだった…。
約1500年前の身分社会に圧倒される!
この「保渡田古墳群」には「かみつけの里博物館」も隣接していて、ここで「保渡田古墳群」の勉強。
なぜなら、ワタシたちは予備知識がまったくないまま、ここまで来たものでね。
てか、「八幡塚古墳」に行く前に見学しておけばいいのに…。
かみつけの里博物館
■住所:群馬県高崎市井出町
1514
■開館時間:9:30~17:00
※最終入館は16:30まで
■休館日:火曜日
※祝日の場合は翌日
祝日の翌日
※祝日の翌日が土曜日・
日曜日の場合は開館
12月28日~1月4日
■入館料:一般 200円
大学生・高校生 100円
※中学生以下、満65歳以上の
場合は無料
※団体料金 他あり
■駐車場:あり
■電話:027-373-8880
榛名山麓で出土した古墳時代(5世紀後半)の土器、人物や動物の埴輪、当時の生活を再現した模型などが展示されている。埴輪や渡来系文化などのほか、日本で初めて発見された豪族の館である三ツ寺1遺跡の解説も充実。
古墳時代といえば、弥生時代に続く3世紀末頃~7世紀頃の時代なのだとか。
学生時代、ろくに日本史を勉強していなかったので、正直どんな時代かピンとこなかった。
しかし、展示されている模型を見ると、大和朝廷が日本国家を統一したこの時代には、すでに身分社会がしっかりと根づいていたことがよくわかる。
館内は写真が撮影できなかったため、ここでは紹介できないが、三ツ寺1遺跡での生活が再現されている模型を見ているだけでも面白い。
当時の権力者が住んでいた広い屋敷の模型を見て圧倒されましたよ。
「オレは古墳を造ってもらえるような奴にはなれんだろうな」なんて思いながらね。
古墳の方位について疑問を抱くものの…
続いて向かったのは「かみつけの里博物館」の西側にある「井出二子山遺跡」。
博物館のすぐそばにあるから、さっと行けると思ったら大間違い!
古墳自体が大きいから近くに見えるだけで、思っていたよりも歩くことに。
井出二子山古墳
■住所:群馬県高崎市井出町
1403
■利用時間:-
■入場料:無料
■駐車場:あり
保渡田古墳群にある前方後円墳のひとつ。発掘される前の古墳の形をできるだけ変えないように整備されている。周囲にはコスモスが植えられており、開花時期には絶景の花見スポットに。
「井出二子山古墳」はひと言で表すならば、2つ並んだ小丘だ。
頂上へ続く道と、後円部の頂上に石棺の書割があるくらい。
広くてのどかなところなので、散歩するぶんにはとてもいい場所だと思う。
実際、古墳の周りでワンコとのんびり散歩している人たちを数多く見かけた。
この古墳の近くには方角が示されたジオラマが設置されており、それを見てふと疑問が…。
「井出二子山古墳」は東西南北の軸が微妙にずれているのだけれども、何か理由があるんだろうか?
これだけの古墳を造る測量技術がありながら、方位がずれているのはちょっと納得がいかない。
もしかしたら夏至とか冬至とか、特定の日時の太陽の位置に合わせたのかな…なんて考えを口にしてみたものの、ワタシたちに答えがわかるはずもない。
「えのさんとこんな広いところでのんびり散歩する日が来るとは思わなかったよ」
などと返されて、思わず「そうだねぇ…」とつぶやいてしまった。
Iくんと初めて会ってから、そろそろ30年だもんね。長いなぁ…。
しみじみとした雰囲気のまま、残る「薬師塚古墳」はスルー。
この時点で15時を過ぎていて、暗くなる前に「鎌原観音堂」へ行けるか微妙だったもので…。
「歴史の石段を上れ! in 群馬③「鎌原観音堂」~悲劇の歴史を語り継いで~」へつづく
(お出かけ日:2024年4月7日)
※施設情報は2024年7月時点のものです。