決めてあるのはどの町に行くかだけ。
そこに着いたら情報を集めて、そのときの気分で観光スポットめぐり。
それでも面白いところは見つかるんですよ!
ナイオロップの滝
■住所:北海道名寄市日進
■利用時間:-
■入場料:無料
■駐車場:あり
「比翼の滝」「晨光の滝」とともに名寄市にある滝のひとつ。何段にも重なった斜面を流れ落ちるのが特徴。名称はアイヌ語の「ナイ・オロ・プト(川の・所の・口)」からつけられたという。
名寄を旅行した際、SL排雪列車「キマロキ」のあとで訪れる。
観光案内所の方に「サンピラーパーク」を勧められたので、まずはそちらの公園を目指すことに。
名寄川を渡ったあたりから家の数が一気に少なくなり、周囲は広々とした光景に。
これからハードな道のりが続くとも知らず、この頃はのんきに周りの写真を撮っていた。
普段、町中で生活しているので、広い空を見るとどうしても興奮気味になってしまう。
おまけに地平線が見えそうな景色なので、デジカメのシャッターボタンを押す指が止まらない。
そろそろ「サンピラーパーク」に着くというタイミングで、道ばたに気になる看板が!
ワタシが訪れた約1か月前にクマの目撃情報があっただと!?
周囲にはほとんど人がおらず、もしクマに襲われても助けてもらえそうにない。
のどかな景色のもと、ワタシの心に緊張感が走るのだった…。
「サンピラーパーク」が全面開園したのは2008年。ワタシが訪れたときは施設がまだ新しかった。
そのせいかワタシとしてはちょっとピンとこなかったので、勢いで近くにある「ナイオロップの滝」を目指すことに。
ただ、ワタシが観光案内所でいただいたリーフレットの地図には、「→ナイオロップの滝」と文字が書かれているだけ。そこで地図が切れていて、具体的な道筋はまったくわからない。こんなに少ない情報量でよく行く気になったな、と今になって思う。
さて、いざ「ナイオロップの滝」に行こうと決めたものの、この頃はマップアプリの某先生を使っていなかったので、頼りになるのは道ばたの看板のみ。
道順は決して複雑そうではないとはいえ、どんどん山の中に入っていく感じなので、クマが出現するんじゃないかと不安になる。
おまけに上り坂で体力を使うし…。
途中で山道へ突入し、ビクビクしながら歩いていると、茂みからいきなりガサッと物音が!
「クマかっ!?」と思ったらリスでした。
他にも野鳥やカエル、バッタやワシらしき鳥などさまざまな生き物と遭遇。
やがて砂利道になり、ワタシが頼れるのは道ばたの看板だけに。
逆に「ナイオロップの滝」という文字を看板で見るたびに、この先に滝があることが実感できて若干だが勇気が湧いた。
ただ、途中にブキミな雰囲気の池もあり、夜は絶対に1人で通りたくないと思った。
滝まであと200m!
しかし、目の前にあるのは細い山道…。
道はどんどん森の中へ入っていき、不安を大いにかきたてられながらも歩きつづけた結果、なんとか「ナイオロップの滝」に到着!
…滝? これはせせらぎと言うのでは…。
いや、そんなことを気にしてはいけない。今はひっそりとした滝の響きと森の静けさを楽しもうではないか。
しかし、静寂に包まれた森の中で1人佇んでいると、やっぱりというかなんというか、クマの恐怖が蘇ってくる。
日もかなり西に傾いてきているし、帰ろうじゃありませんか。
ふと振り返ると、そこには道なき道が…。
ワタシは何かとんでもないことをしてしまったのではないか。そんなことを考えつつ、山道を戻るのであった。
そして帰り道。
電柱の上にいやに大きなカラスが止まっているじゃありませんか。
いや、あれは大きすぎる…と思ったら、その鳥が翼を広げた。
明らかにカラスの翼長じゃない。あれはワシなんじゃ…。
山と山の間に名寄市街が見えてきたときには心底ホッとした。
それでもこの日のワタシは夕食のあと、名寄の町を散歩していた。どれだけ歩くのが好きなんだか…。
(お出かけ日:2015年9月8日)
※施設情報は2024年9月時点のものです。